ひとりでLA・LA・LANDを観に行ってみた
こんにちは、nammです。
映画はそんなに行く方じゃないんですが、
思い立ってLA・LA・LANDを観てきました。
自分の音楽を追求するジャズピアニストの男と、女優になる夢を追う女の恋のお話。
私自身しっかりした夢がある訳じゃないのですが、そのせいか、なにかに向かって真剣に打ち込んでいる人に惹かれるのです。
たまたま見た予告でふーんと思い、その後もたまたまいくつかのブログやニュース記事で「いいよ!」というレビューを見てふーんへぇ〜と思い、そして…
気がつけばすごく観たくなっていた…!!
思いっきり情報に踊らされてますが、どうやらこれ自体が踊ってるシーンの多い映画のようです。私も今回は思い切って踊らされてみることにしました。
しかしながら…
一緒に行く人がいませんでした。
私が映画に行く時といえば、大体いつも友人が「観たい」と言う映画に行ってます。それが私も観たい映画であることは稀。
「誘われたら行ってみる」というのはマイルールの1つなので、そういうのはウェルカムです。行ってみると自分だけでは知り得なかっただろう世界が広がって面白いからです。
でもやはり、人の勧めるものには基本的に興味がないのが当たり前。たまには自分の観たいものを観たいタイミングで観たい…!
しかし!(まだ語るか)
自分の観たいものに、同じように人を付き合わす申し訳なさ…!!これに耐えてまで人と一緒に行く意味があるのでしょうか。
たしかに、映画館に一人で行くのはしんどいです。一人で行ったのは、大学生のときの「おくりびと」一回きり。内容が内容だけに※友人を誘うのに気が引け、仕方なく一人で行ってみたんですが、映画館に一人ってけっこうハードル高いんです。
※葬儀会社に勤める納棺師の話でした。
基本的に二人以上用にできているこの世界ですが、その中でも映画館の「ぼっち難易度」は結構高めなんじゃないかと思います。
基本的にみんな、友達、恋人、夫婦と一緒に、素敵な時間を共有するために来ている中、ぽつんと一人で映画館に来てる人を見たら…。
「映画好きなのかなぁ…」とか
「一緒に来る友達いないのかなぁ…」とか
やっぱ「一緒に来る友達いないんだろうなぁ…」とか思うに違いありません。
そんなことを思われるくらいなら…夫には断られているので、少ない友人たちに向けてLINEで募集してみようかと揺らぎましたが、こうやって気を遣ったり、予定を合わせたり……
ええい、めんどくさい!!
今観たいもんは今観るんじゃ!!
と、前日に覚悟を固めました。
とはいえ当日、朝からソワソワ。
夕方になったらなったで、仕事で疲れたしもうやめようかと思い始めました。しかし、ここでやめたら負けです。
「思い立ったが吉日」もマイルールのひとつだからです。
30分前に映画館に着いて、席を取る。
花金(死語)かつレディースデーだというのに、まだ6時なせいか客はまばら。
席も選びたい放題だったので、思い切って後列の一番前を陣取り、「映画好きで、いつも来てますけど」という顔をして座りました。どうせなら「ぼっち」より「映画好き」と思われたい!!!!!
…さて、映画の話に入りましょう。
この映画、
前提として知っておくべきは
ミュージカル映画だということです。
ミュージカル映画とは、出会ったばかりの人といきなり阿吽の呼吸で踊り出したり、シリアスなシーンで涙を流しながら熱唱したりするのがデフォルトです。マナーとして、観客はそこにツッコミを入れてはいけません。
これを知らないで無防備に観に行ったもんなら…
開始1分で「は?」となり、「あぁ…こういうやつか」と納得するまでに無駄な時間、無駄な心の葛藤を要することでしょう。
さてさて、ストーリーについて。
※下記ネタバレもありますのでご注意ください。
1分で説明できるぐらいシンプルなものでした。流れから察するという感じで、細かい説明的なシーンもありません。しかし、この映画の魅力はそこではありません。
始めから終わりまで、すべてが美しいのです。
魅力的な主演の二人、それを取り巻く景色、街並み、音楽、踊り、歌声、話す言葉、ファッション、車……見るもの聞くもの、すべてに140分ひたすら見惚れていられます。
人間って、美しい。
そもそも映画って、集中して人間を「見る」ことができる、ちょっと特異な時間。日常でもテレビでも人をよく見ることはできるけれど、映画ほど集中して見ることって普段よっぽどない。
テレビドラマにも人間を生き生きと描いているものが沢山あるけれど、観てると洗剤のCMとか突然入ってくる。
人の魅力は姿形だけではない。
言動、仕草、ひとつひとつでかたち作られ、その人がある。
特にこの映画は、人って、またその人生って美しいんだなっていうことをストーリー、歌声、踊りなど様々な要素で伝えている映画だと思いました。
とりわけ音楽はミュージカル映画ということもあり、この映画の最も大切な要素。なぜミュージカル映画のメロディはこんなに心の琴線にガツガツ触れてくるのだろうか?と考えてしまったほど。
(ぜひ観終わった後も、サントラで何度も味わうをオススメします。またじわじわと来ます。)
でもやはり、ストーリーも美しさの1つ。
以下重要なネタバレになりますが、
この映画、ハッピーエンドにはなりません。
にぎやかな予告映像や、鮮やかな原色が目を引くフライヤーのデザイン、最初のシーンなど、第一印象があんなにハッピー!!みたいな映画なのに、容赦なく最後はほろ苦く終わりますので、恋人とハッピーな映画を観に行こうと思ってる方はちょっと要注意です。
でも、ただただハッピーというよりは、切ない終わりかたのほうが美しいなと思います。
でも結構リアルな話。
一緒に夢を追っていた二人が、互いに成功を手に入れる過程で離れていく。男は最終的には栄光を捨て、二人で描いていた夢を叶えて待っていた。一方、女は………
他の男と結婚して家庭を持っている!!(泣)
もう子どもまでいて、絶対に取り返しがつきません。いつでも自分の幸せが一番な、女という生き物あるあるですね。
最初の出会いは男の方が「クソ野郎」ではあったけれど、結果的に女の方が「クソ野郎」だったんじゃないかなと思います。
客観的に見ていて、彼が彼女にしてあげたことの方が多かった。それがそのまま彼女への愛情の量だったのだと思います。
まぁでも、彼が元々もっていた夢を後押ししてくれたのは、彼女との出会いでした。…でもでも、最後のシーンで夫の隣にいる彼女と再会した彼は幸せになったといえるのでしょうか。。。
そのとき互いに感じただろう胸の痛み、もしあのまま結ばれていたら…と、きっと二人が同じく想像しただろう壮大な「たられば」シーンが夢のようにキラキラしているほど、現実に戻ったシーンで静かに響き渡るピアノの音色が胸を締め付けます。
…という感じで、
いろんな意味で美しい物語でした。
ただ、公式サイトにあるような著名人たちの絶賛コメントには違和感あるかな…。
なんか、このコメントを見てから「すっごい良い映画を観にいこう!!」というテンションで見るにはちょっと、あまりにも余韻のヒリヒリの方が大きいのかなというか。良い映画ではあるんですが…。
たまたま何気なく観に行ったら、じんわり心に残る映画だったなー、という映画との出会いの方が望ましいのかなと思います。
冒頭のシーンはイメージ通りに派手派手だけどね。一見の価値アリです。
というわけでこの映画、実は一人で観に行くのに向いてる映画だなと思いました。何気なく観に行って、次の日もその次の日も余韻に浸ってください。
たまには一人映画、これからも行ってみようかな!
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