徹底して人と会わないラーメン店に行ってみた
こんばんは。
今日はデザインも物作りも全然関係ないお話です。なんか書きたくなってしまって。
先ほど「完全個室」なラーメンの店に行ってきました。個室っていうか、厳密に言うと個室じゃないんだけど、もう「完全個室」と言いたい店だったのです。
自意識過剰だとは思いますが、私はなんとなく飲食店で写真を撮ることができないので、写真はほぼありません。想像してください。
周りの人に、あの人SNSとかブログとか食べログに載せるんじゃないの?って思われてるんじゃないかと思うと、撮れなくて!考えすぎですよね!わかってるんですが……!!
※記事の最後に画像いっぱいのリンクを貼っておきますので、ご参考まで。
まず、車から駐車場に降り立った時点での違和感。
……この店、窓がない。
窓がないだけで、こんなに違和感があるものなんですね。
店というものは、ことに飲食店というものは、全ての人にオープンでウェルカムであるものだ…という、日本で30年暮らしてきて無意識のうちに培われてきた概念が打ち砕かれた。つまり、すこぶる入りにくい。
どちらかというと保守的な私は、なんとか「ラーメンを食べるんだ」という強い意志を持って、勇気を出して店に入らなくてはならない。
そもそも、本当にこの店でラーメンが食べられるのだろうか?「天然とんこつラーメン」と書いてある看板だけを信じていいのだろうか……??と、この時点でまだまだ懐疑的。
店に入っても、ラーメン屋でよく聞く「らっしゃっせー」というような出迎えはない。というか、店員さんが見当たらない。
その代わり、扉を開けてすぐ正面に、でーんと自動販売機が鎮座。あ~、こういうパターンね。
たまにしかラーメン屋に行かない私でも、自販機で食券を買う店は何度か経験がある。
ただ、その場合でもいつも店員さんが「らっしゃっせー」と言ってきたし、店員さんに食券を手渡ししていた。しかしこの店はここからが本格的に、他の店と一線を画しているのだ。
食券はなんなくゲットできたものの、そこからどうしていいかわからずオロオロと辺りを見回す私と夫。。
すると、自販機の脇に続く通路に、いくつか横並びで部屋の入口らしきものをみつけた。よく見ると壁に電光掲示板があり、座席表らしき列には「空」の文字がちらほら光っていた。
これ、どこかで見たことがある。
…最近よく高速道路でみかけるサービスエリアのトイレと同じシステムではないか。
空席の多そうな部屋を選び暖簾をくぐると、通路ほどしかないスペースに、ずらっと奥まで並ぶカウンター席。
それぞれの席と席の間は、しっかりと木の板で仕切られている。こ、これは……!
いわゆる「ぼっち席」というやつ……!!
席につくと、正面に下半分だけ開いた暖簾(のれん)と、呼び出しベル、紙とペンが用意されていた。暖簾の向こうにいる顔の見えない店員さんから簡単なオーダーについての説明を受ける。水はセルフサービス。ここに来ても、まだ店員さんと直接顔を見て会話する機会が訪れないのだ。
そう、ここは、最大限店員さんと顔を合わせなくてよい店だったのだ。
注文も徹底して顔を合わさない。
テーブルに置かれた注文用紙に、味の濃さ、青ネギor白ネギ、辛さの度合い…などの好みを簡単な丸付け方式で記入する。
そして、呼び出しベルを押すと暖簾の向こうにやってくる店員さんに用紙を渡す。それが済むと問答無用で降ろされる暖簾。これにて注文完了である。
……なんだかまるでいかがわしい店なのかと思ってしまうほどに、徹底して客のプライバシーを配慮しているのだ。
そういえば、たまたま私は店員さんにまで気を遣って疲れてしまうタイプの人間である。
いらっしゃいませと言われペコリとし、本日のおすすめメニューを説明されペコリとし、料理が届いて手前に丁寧に置かれるあいだ自然を装いながら固まっている。そして店員さんが立ち去る時にはすかさずペコリ。
……あらためて考えてみると、食事するだけになんと気を遣わされていることだろうか。
暖簾の向こうには活気あふれる厨房の気配。
完全に人と顔を合わせる必要がないとはいえ、暖簾越しの丁寧な接客や、テーブルに置かれた手書きのフリーペーパーなど、他の部分で温かみを補っている。
ご丁寧に全席に書かれたテーブル脇の「荷物掛け」という表示や、備え付けられたティッシュペーパー※からも客への気配りを感じられる。
※ラーメン食べると鼻水が出ますよね。そんなあなたと私は鼻が悪いそうです。
人の温かみというサービスを提供しつつも、徹底して客に余計な気遣いをさせない、そういう粋(いき)な店だったのである。
肝心なラーメンの味……?
普通に美味しかった。
(食レポできなさすぎる…!)
ラーメンが来て店員さんが立ち去る時、暖簾の向こうで元気よく「ごゆっくりお召し上がりくださいませ!」と再び暖簾を降ろして去っていったのだが、
その時のお辞儀が深々としていて、かつ絶対に目が合わないようにこちら向きでなく横顔を向けて頭を下げていた。
恐ろしく徹底している…!!
びびりましたわ。
帰り際に面白いことに気づいた。なんと箸袋までも注文用紙になっているのだ。
これに記入しベルを押して、ただ店員さんにスッと差し出せば、一言も発することなく追加注文が可能なシステムだ。
至れり尽くせりというか、どこまでも合理的というか…!!
↓一蘭サイト↓
サイトはスマートフォンでは見にくいようなので、店舗を調べたい場合はウィキペディアの方がオススメ。豚骨ラーメンで有名な博多発のチェーン店で、割と全国にあるらしい。
いやー、ほんとにデザイン関係なかったです。
まぁビジネスモデルとして感激したということで…。私が知らなかっただけで、普通に有名な店なのかな??
また気が向いたら行ってみようと思います。ノーメイクで行くのにこれほど適した店はないですね(=^^=)
ではでは。
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